まるまる。

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歌舞伎座のこけら落とし興行について~助六を代わるならこの2人

市川團十郎丈急死を受けて、4月からの歌舞伎座再開場、こけら落し興行をどうするのかが、けっこう気になっています。

12月に中村勘三郎丈も亡くなりましたが、公演の演目・配役はそのあとに発表されました。

なので、最初から勘三郎丈のいない座組みでプログラムが作られています。

4月の第一部では、故人の盟友だった坂東三津五郎丈が芯になって、故人の「おはこ」である「お祭り」を出します。

周りを息子たちやゆかりの人が固めた、「追善」の一幕です。

 

すばらしい企画だと思います。

ところが團十郎丈の場合はそうではありません。團十郎丈健在という前提で配役されていますから、4月から6月まで、丈が出演する演目が6つもあるのです。

特に6月の「助六」は歌舞伎のシンボルのような演目。

 

團十郎助六という大前提の上で、記念演目に選ばれたことはまちがいありません。

6演目はすべて、おそらく「狂言差し替え(ちがう演目に差し替える)」ではなく、演目は発表通り、團十郎丈の役はほかの役者が代わるということになるのだろうと思います。

誰がどの役を代わるのか。

これは歌舞伎ファンなら誰でも興味を持つところです。

楽しみといっていいと思います。


私は「助六」を代われるのは、二人しかいないと思っています。

一人は息子の海老蔵丈。これまで襲名の時などに何度も勤めている、彼の当たり役ですし、「父の追善」として誰もが納得する代役でしょう。

まず「常識的な代役」といえるだろうと思います。

私はしかし、もう一人候補がいると思っているのです。

それは尾上菊五郎丈。

 

前述の「お祭り」と同じ意味合いの配役です。

つまり菊五郎丈は故人と60年来の盟友。

 

菊五郎丈は最近では演じていませんが、若いころには「助六」を当たり役の一つにしていました。

 

菊五郎襲名では披露宴目の一つに選んだほどです。

亡き友を偲び、新しい歌舞伎座に立てなかった無念を晴らす、という思いで、もし菊五郎丈が何十年かぶりで「助六」を勤めるとすれば、これに上越す「追善」はないと思うのです。


松竹の発表を、心待ちにしています。

 

追記

※21日に松竹から発表がありましたね。助六は海老蔵丈が演じることになったようです。